自動化の効能

自動化という言葉を聞いた時、人によって CI/CD のことを思い浮かべたり、エクセルのマクロのことを思い浮かべたり、RDPのことを思い浮かべたり、銀行の定期振り込みみたいなことを思い浮かべたりすると思う。

この際、自動化のメリットとして作業時間が省かれることを挙げる人がいるのだけれど、それはある側面でしかなく、さらに主な効能というよりはむしろ副次的な効果と思う。

では主な効能は何かといえば、それは

  • 意識しなくても良くなる
  • ドキュメント化される

この二点になってくると思う。

意識しなくても良くなる、というのはそのままで気にする必要がなくなる。気にする、というのは大きなストレス源になる。

気にしなくて良くなるだけで、その分個人・組織の能力が解放されて新たな仕事や作業に取り掛かる余裕が生まれる。省力化で解放される時間よりも生まれる余裕の方が価値が大きい。自動化によって解放される時間が短いから自動化する必要がない、というのは大きな間違いである。

ドキュメント化される、というのも大きな価値があり、個人がバラバラにやっている場合は統一化され、属人化している作業はその個人から切り離され、自動化スクリプトが実行可能なドキュメントとなる。

一度このような状況にしてしまえば、その後問題が起きても、スクリプトを直すか、その作業自体やる必要があるのか見直す、の二択ですむ。

こういった場合、しばしば「チェックを強化します」「新たなルールを追加します」「気をつけます」みたいなことになるのだけれど、みんな気をつけてるし、チェックはちゃんとしたいはずだし、ルールは増やしたくないはずなのだ。

まあルールは増やしてもいいけど増やすと人には守るのが不可能になり、結果としてまた「チェックを強化します」「気をつけます」となっていく。


ということで自動化には時間効率を高める以外の非常に強い効能があるので、省力化と捉えると見誤りますという話。

YAPC::Kyoto 2023には参加できなかったけど、所用があって関西にはいたので、月曜の夜まで京都にいた友人たちに合流した。

まず一人と合流しそばを食べ、さらに合流してビールを飲み(1)、さらに合流してビールを飲んだ(2)。久々に会えた人にも挨拶ができてよかった。


大学に入って初めてプログラミングに触れて、プログラミングを通していろんな人に知り合って、そこから大学内の繋がり、大学外の繋がりができたのだなあと言うことを思い返してちょっとだけエモい気持ちになってしまった。

エンジニアとして仕事をしていた時のことを思うと「あっこれはカンファレンスのネタになるな」と言うのが結構モチベーションとしてあって、それがモチベーションになっていたのは大学の頃知り合った人たちの影響だったと思う。

周りの人たちは皆何かしらセッションに出ていて、自分だけが参加していないことに対するコンプレックスみたいなのがあったのだと思う。

と言うようなことを思い返していたところに今年のベストトークになったあらたまさんの記事

tamamemo.hatenablog.com

が流れてきて完全に刺さってしまった。

動画も後で見たい。


まーでもあれだよね、それはともかくカンファレンスで話せる仕事したいし、俺はまだまだハッカーの呪縛に縛られてるよ。それでいいんだと思う。

最近はこういう PD 対応の AC アダプタで USB-C と USB-A の口があいているやつで暮らしている。

実際に僕が使っているのはこれではないけれど、だいたい似たような感じ。

MacBookiPhone の充電が一つで済むのが嬉しいし、会社のノートPCもUSB-PDでの充電に対応していて 45W あれば問題ないのでこれで大丈夫と言うことになっている。

便利でいいよね。

Mackerel の 外形監視に 救われる(一句)

数日前から Mackerel の外形監視で証明書の残り日数についてのアラートが出ていた。

mackerel.io

let's encrypt (certbot) で自動的に更新されるはずなのだけれど、どうも様子がおかしいので手で certbot renew をしたところ、過去に検証で使ったサブドメインDNSレコードを飛ばしたことが原因で、一部のサブドメインの所有権が確認できなくなり、結果として証明書の更新がされなくなっていた。

とりあえず DNS レコードに問題のサブドメインを追加し、適当に dig で様子を伺ってから certbot renew を実行したところ、無事更新に成功しアラートもすぐに解決した。


大丈夫だと思ってるものこそ監視が必要ですね。

まさか文書生成AIの技術がこんな風になるとは思ってなかったし、利用規約でいくら制限しても*1文書生成AIによって作られたコンテンツはこれからもウェブ上に増え続けていくのだろうと思う。

書き手がどうであれ、最終的にその情報の真偽を自分で判断しなければいけない状況は変わらないけど、玉石混合の石をすごいスピードで作られてしまうと手がつけられないよな、と思う。


人を信用すると事故るから情報を個別に判断しましょう、というのは基本的にそうなのだけれど*2、こうなるとそういってもいられない。人とその背景、実績を見てうまいこと処理する必要がある。

でもその実績もデタラメだったら?


あるいは一時期の私がTwitterでそうしていたように、AIと人間が同じアカウントでハイブリッドに振る舞っていたらどうだろうか?

*1:最初からドメイン/サービス単位でAIによる投稿を許容してるなら逆に割り切ってそこを見ない、という手があるけどね

*2:ある分野のエキスパートが違う分野でめちゃくちゃ言うことあるでしょ?