ゴールデンタイム,アニメの方の話だけれど,途中からコンテンツとしての質大きく下がっていると思う.どういうことかと言うと,まず多田万里と付き合い始めてからの加賀香子がまともすぎる.序盤のぶっちぎりっぷりはどこに行った.初期の勢いが死ななければ,付き合い始めた時点で加賀香子は多田万里を激しく束縛し,男だろうが女だろうがコミュニケーションを著しく制限するような行動を取るのが自然なはずだ.具体的には講義後などに友人と話していると不機嫌になる,頻繁にメールで状況を尋ねてきて,少しでも連絡しないと怒りをぶつけられる,夕方型から夜まで長時間の電話をかけ続け,切らせない,などだ.放映されたシナリオでも多田万里がバイトするの止める話があったが,あの程度では生ぬるい.友達とみんなで海水浴など夢でも実現しないだろう.

さて,このような当然想定されたシナリオの場合,多田万里は極々自然にあらゆるコミュニティから孤立する.加賀香子がいなくなったら自分はどこにもいなくなると本気で考え,過去の自分云々で精神が不安定になるところは実際の脚本と同じだろう.徐々に多田万里の精神は弱っていくが,加賀香子は無自覚であり,悪気も無いため,徐々に弱っていく多田万里との間に隔たりを感じ始める.あるとき過去の記憶が一瞬戻りリンダの名前を叫んだ時点で加賀香子に見切られる.私たちもう潮時だと思うの.かくして多田万里は完全に孤立,次第に大学にもいかず部屋に引きこもるようになる.

この先二つのシナリオが考えられるけど,第一のシナリオは書くと辛すぎるからやめておく.

第二のシナリオとして,こうなって始めてリンダが出てくる可能性がある.ただ,リンダはリンダで加賀香子とは違ったタイプのこじらせキャラであるため,本来多田万里の危機管理能力の低さが全ての元凶であるにもかかわらず,全ての責任を背負い込み,最高の展開だと引きこもって単位が危うい多田万里の面倒を見るため,卒業後もアルバイトでつなぎながら多田万里の勉強の面倒を見ると言ったパタンが考えられる.ま,ここまではこれでハッピーエンドに見えるのだけれど,加賀香子の件で精神を破壊された多田万里はしだいにリンダに暴力を振るうようになり,その度にリンダは全て自分が悪いのだと万里を責めるのではなく自分を責めるみたいな最高の着地点が用意されているから安心して欲しい.あとは共依存アンドDVっていう最高の泥沼カップルの出来上がりである.

ここまでやったらゴールデンタイム本当に最高の作品になっただろうけれど僕は絶対そんなアニメ見たくないですね.